素麺屋ブログ
2023/05/31 23:48
【お!いしい けんぶんろく】 Vol.13(番外編)
『第3回 全国そうめんサミット2023 in小豆島』
【お!いしいけんぶんろく】ブログが、久々の更新となります。
GWが過ぎ、夏も目前となり、石井製麺所でも忙しい毎日です。
製造の佳境もあって更新作業ができていませんでしたが、6月3日、4日に小豆島で開催される『全国そうめんサミット』については触れなければ!
ということで、ブログを更新する決心(笑)をしました。
ぜひ今回のお話もお目通しいただければ幸いです。
6月3日、4日の2日間、夏の小豆島を舞台に、『第3回 全国そうめんサミット2023 in小豆島』が開催されます。
G7広島サミットが開催されたばかりですが、実はそうめん業界にもサミットがあります。
兵庫の播州そうめん、奈良の三輪そうめん、そして香川の小豆島そうめんは「日本三大そうめん」と呼ばれています。
2016年の播州そうめんからスタートしたそうめんサミットは、2018年の三輪そうめん、新型コロナによる延期を経て、いよいよ今年2023年に小豆島そうめんがそのバトンを受け取りました。
新型コロナの巣ごもり需要として、「パスタ」や「そうめん」など、乾麺が注目を集めたのは記憶に新しいかもしれません。
しかし、そうめんの歴史を俯瞰してみると、その生産量は減少傾向にあり、それは弊社創業の頃の話を伝え聞くだけでも間違いのない事実です。
「作れば作るだけ売れる」といった時代があったなんて、今となっては信じられません。
そんな現状を受けて、そうめんをはじめとする乾麺の需要拡大を目指してスタートしたのが、『全国そうめんサミット』です。第3回となる小豆島サミットのテーマは、『そうめんは、宇宙だ!』。
「そうめんなんてどこも同じ」という声に、そうめんの代表的な産地のひとつとして、「そんなことはない」と答えることを目指しています。
原料はほとんど小麦粉だけ、シンプルを極めたような加工食品であるそうめんですが、産地によって使用する原料に特徴があり、製法によってのどごしや舌触りが変わります。
その土地その土地の名産品を練り込んだ、色合いや味わい多種多様な、オリジナリティあふれるそうめんも沢山あります。
そこに生産者、作り手のこだわりまで加わったそうめんは、単純に「そうめん」という言葉では片づけられない、奥の深い食べ物だと思います。
まさにそうめんの世界は、未解明の謎がまだまだ眠っている「宇宙」なのかもしれませんね。
本サミットの見所は、なんといっても「第1回 全国そうめん鑑評会」です。
全国から集まった全16作品のそうめんが、審査員によって評価されます。
審査員は著名な料理人や有識者の方々が務め、その評価基準は5項目(味/香り/コシ/のどごし/色つや)が設けられ、総合5段階で評価されます。
私がこれはすごい!と思うのは、試食用のそうめんの調理について、入念な準備がされていることでしょうか。
そうめんは茹で時間をはじめ、茹で方の影響を強く受けてしまいます。
どんなに作り手が丁寧に、こだわりを込めて作ったそうめんでも、茹で加減を失敗すると、その味わいは大きく損なわれてしまいます。
試作品の調理、その責任は重大です。 当日にそなえて、繰り返しシミュレーションがされているそうです。
ゆがく人、お湯を捨てる人、麺を洗う人、氷で締める人、お皿の準備をする人、お皿に盛る人、審査員の手元まで運ぶ人… そうめんを調理することだけに、これだけのスタッフがそれぞれの役割を果たすべく、準備しています。
業界初、そうめんに真正面から向き合うような鑑評会。
企画した実行委員会の方々、鑑評会に応募された生産者の皆様の挑戦する心に敬意を表するとともに、鑑評会の成功と、鑑評会がそうめん業界の活性化につながることを願っています。
もちろん、ど真剣にそうめんに向き合うイベントだけでなく、そうめんを題材にした桂こけ枝さんの落語や、大道芸など野外イベント、日本三大そうめんの食べ比べに、王道の流しそうめんなど、そうめんを“楽しむ”企画も沢山用意されています。
キッチンカーも出るので、そうめんをメインに、サイドメニューも充実。
人気FMラジオ番組「OH! HAPPY MORNING」の公開録音もあるそうです。
“そうめんづくし”の2日間、全国の「そうめんファン」の皆様にお楽しみいただけますと、小豆島のイチそうめん屋として嬉しく思います。
(ご遠方の皆様へ、本ブログにてサミットの様子をお届けしたいと思います。ぜひご覧くださいませ。)
「仲間さがし」がしたいと思っています!
全国の産地から生産者が集まるサミットですので、ぜひいろいろな産地の方々と交流したいですね。
具体的には、「仲間さがし」がしたいと思っています!
後継者不足は産地を問わずの課題だと思いますが、小豆島の若手生産者のひとりとして、一緒にがんばる仲間がほしいという想いは切実です。
美味しさに妥協しなければ、手延べそうめんづくりはとてもハード。
小麦粉を塩水で練り上げた生地は重いですし、気温や湿度の影響を受けやすいそうめんは、細やかな目配り・気配りが欠かせません。
私が弱いだけかもしれませんが、美味しいそうめんを目指して、ともに切磋琢磨する仲間がいることは心強いです。
昨年末のツイッター開設をきっかけに、全国各地のそうめん屋さんとつながることができました。
産地が違い、作るそうめんは異なれど、皆さん自分のつくるこだわり込めたそうめんを積極的に発信されています。
なかには、製法に関わる悩みや困りごとも投稿されていて、アドバイスが交わされる様子も… 後継者不足がますます進むであろうこれから、産地の垣根と距離を越えたつながりが大事になると感じています。
そしてサミットは、普段は遠く離れた生産者の方々と、リアルにお会いできる、貴重な機会です!
当日は懇親会もありますので、お声がけをさせていただければ幸いです。
写真は、「手延べひじき麺」開発にお力いただいた、池田漁協の皆さん
新たな出会いが生まれそうです。
そして、ツイッターとサミットをきっかけに、新たな出会いが生まれそうです。
「そうめんの美味しさを世界に伝えたい」と活動されているSHUNくんが工場見学に来てくれることになりました!
そうめん大好きな小学6年生で、全国の手延べそうめんの生産量が減少している状況を知って、手延べそうめん業界を盛り上げるために、クラウドファンディングも成功されています。
『俊麺(しゅんめん)』という、オリジナルデザインの手延べそうめんを商品化、「しょうが麺」「ごぼう麺」「にんにく麺」「トマト麺」「しそ麺」それに「白麺」という6種類の手延べ麺です。
いったい、どんな味がするのでしょうか?
一番、気になっているのは「ごぼう麺」。
ごぼうのやさしい風味は、手延べ麺によく合うと思います!
写真はSHUNくん。SHUNくんのお父様よりご提供頂きました。
サミットで小豆島を訪れるにあたり、工場見学をしたいとツイッターで投稿されていました。
その投稿を見た徳島のそうめん屋さんが、「小豆島のそうめん屋さん、どうですか?」とご縁をつないでくださいました。
本当に、ありがたい限りです。
手延べそうめんの製造現場をご覧になるのは初めてとのことですので、そうめんが延ばされる様子や、1束1束、そうめんを束ねる様子など、“手延べならでは”の作業風景をご覧いただければと思っています。
そうめんサミット当日は、3日は午後からの式典・鑑評会結果発表に出席、懇親会への参加、4日は会場内をいろいろと見て歩く予定です。
背中に石井製麺所の名前の入ったユニフォームを着ていますので、もし見かけたらお声掛けください!
手延べそうめんのことや、小豆島のことなど、お答えできるかと思います。
サミットが終わりましたら、当日の様子など、本ブログにてレポートを予定しています。
《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/
『お!いしい けんぶんろく』について
本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。
色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。